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『アンガーマネジメント入門』 安藤俊介著

日本アンガーマネジメント協会の代表である安藤俊介さんの書いた本です。アンガーマネジメントをテーマにした多くの本を書かれていますが、この本はその考え方や方法の概略を知るためにおすすめです。

 

怒り(アンガー)の性質についての説明から、短期的・長期的な怒りの扱い方の基本について書かれており、アンガーマネジメントの基本的な部分がおさえられているように思います。

 

多分、この本を読んでいる間、つまり自分の怒りについて客観的に見ようという努力を続けている間は、感情の扱い方が丁寧になり、結果的に怒りの表現が穏やかになるかもしれません。

 

ここが重要なところで、その努力を継続して頂きたいと思います。

 

特にアンガーマネジメントは心理トレーニングの性質が強いので、考え方を身に着けたら、それを毎日継続して初めて効果が拡大・持続します。

 

そこらへんは筋力トレーニングなどと同じで筋トレの方法だけ習っても、筋肉の増大と筋力の保持は起こらないのと同様です。一つの心理トレーニングの方法を身に着けたら、その方法論に基づいて一定の努力を続ける必要があります。

 

たぶんある心理療法で効果が出なかったときには、この点が誤解されていることが多いような気がします。心理療法に関する合う・合わないを判断するまでにも一定の負荷を乗り越えてトレーンングを続ける必要があり、少し効果が出始めたら、それを拡大・維持するためにも一定の手法を継続する必要があります。

 

全く負荷のかからない、楽で効果の絶大な心理/精神療法というのはないと思った方が良いと思います。この点も身体的トレーニングとイメージが重なります。

 

よって、このような本で一つの考え方を学び、この方法でやってみようと決めたら、一定期間(できれば数か月以上は)その方法とともに生活して欲しいと思います。

 

それと、様々な心理療法の基礎的な部分で①メタ認知と②主体性の問題がいつも残ってしまうように思います。

 

①まず、自分を一歩退いて客観的に見てみようというメタ認知の姿勢がとれるかどうか、その習慣を確立できるかどうか。

 

②それから、例えば怒りを例にとると「~のせいで怒ることになった」、「~さえなければ穏やかでいられるのに」といった姿勢ではなく、怒りという感情を選んでいるのは自分であり、自分の感情や行動は自分で決められるという主体性の感覚を持てるかどうか。

 

①と②の基礎があれば、大抵どんな心理療法でも、その上にのせることができるように思います。

 

しかし、どうもその基礎的な部分がないと、あるいは新しく学んだ手法でその部分を育てることができないと、土などの培地がないところに草木を育てるような虚しいことになりかねません。

 

もし、心理/精神療法を実践されるときには特に基礎的な部分を意識されると良いのではないかと思います。

 

 

※8月25日にアンガーマネジメントのごく基礎的な内容の公開講座を予定しているのですが、そこでは精神科医としての立場で説明をさせていただくので、今回ご紹介する本の内容である協会の解釈や説明の仕方と若干異なるかもしれません。

 

 

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