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薬なし、自分で治すパニック障害 森下克也著

 

ある日突然に過呼吸や動悸・めまい等の非常に強い自律神経症状の発作を経験し、そのために今まで通りの生活が困難になってしまう病気のことを「パニック障害」と言い、4%(25人に1人)程度の人がこの病気にかかります。

 

比較的多い病気ですが、特にはじめての発作のときには「死ぬのではないか」等と命の危険を感じることも多く、これをきっかけに外出がしにくくなったり、いつ次の発作が起こるのか心配な状態が続いたりします。よって、患者さんの生活にとても大きな影響を及ぼす病気と言えます。

 

今回ご紹介する本は、この「パニック障害」について書かれた本です。

 

通常の西洋薬による薬物療法にも問題点も含めてきちんとふれられており、全体的にバランスよく書かれた「パニック障害」の概説書という印象があります。決して、表題にあるような「薬なし」にこだわった本ではなく、患者さんの利益を重視した治療全体に関して言及してある内容です。

 

しかし、この本独自の力点を持っており、主な特徴をあげると以下のようになります。

 

①パニック障害がおこるしくみについて脳のメカニズムにいたるまでとても詳しく説明されている。

②主な行動療法についての全般的な知識を押さえている。

③著者のクリニックで行っているパニック障害の漢方治療について、漢方の基本的考え方から説明されている。

 

特に①の病気のしくみの概説は、単なる説明というよりも、説明すること自体が非常に重要な精神療法になることが強調されており、医療者の説明不足がいかに病態を長引かせるか、繰り返し例をもって語られています。

 

良く言われることではあるのですが、病気の説明を適切に行うことは、医療全般において治療が成立するかを左右する根幹の部分をなしており、今後も治療に主体的に関わっていただくきっかけを作れるように、説明を重視した診療を続けていきたいと思いました。

 

全体として、著者の丁寧な診療を想像させる「詳しさ」と「分かりやすさ」が両立された良書であると感じました。

 

 

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