◎要約:『抗うつ薬の体重増加は、抗うつ薬ごとの僅かだが違いがあるかもしれない』
今回、抗うつ薬による体重変化を主な薬剤で比較した研究をご紹介します。
抗うつ薬による薬剤誘発性の体重変化
Medication-Induced Weight Change Across Common Antidepressant Treatments: A Target Trial Emulation Study
アメリカにおける研究で、24ヶ月間の処方記録を元に183,118人分のデータを調査しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・服用開始後、6ヶ月間の体重変化について、セルトラリンを基準として、体重増加が多い傾向にあったのは、エスシタロプラム+0.41Kg、パロキセチン+0.37Kg、デュロキセチン+0.34Kg、ベンラファキシン+0.17Kg、シタロプラム+0.12Kgで、体重増が少ない傾向にあったのはブプロピオン-0.22Kgでした。
・エスシタロプラム、パロキセチン、デュロキセチンでは5%以上の体重増加の生じるリスクは10~15%高くなっていました。
・6ヶ月間服薬が続けられるかどうかについてはデュロキセチン28%、ブプロピオン41%となっていました。
ブプロピオンは日本では未発売の、、ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害薬(NDRI)ですが、体重増加が少ない点では他の抗うつ薬よりも有利な点があるかもしれないと思われました。
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