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抗うつ薬離脱症状の出現率

◎要約:『抗うつ薬の中止による離脱症状の出現率は、偽薬との差異を考慮すると15%程度かもしれない』





抗うつ薬を(特に急速に)中止したときに、頭痛や吐き気、めまい、神経過敏など、様々な離脱症状を経験することがあります。


今回は、抗うつ薬の離脱症状について、複数の論文から出現率を推定した分析(メタ・アナリシス)をご紹介します。


抗うつ薬離脱症状の出現率

Incidence of antidepressant discontinuation symptoms: a systematic review and meta-analysis


抗うつ薬の離脱症状について調べた79本の研究(44本がランダム化比較試験で、35本が観察研究、21,002人の参加者を含む、72%が女性、平均45歳)が分析の対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。


・16,532人が抗うつ薬の中止、4,470人が偽薬の中止を経験していました。


・抗うつ薬の中止による離脱症状の出現率は31%、偽薬の中止による離脱症状の出現率は17%となっていました。


・ランダム化比較試験に限定すると抗うつ薬と偽薬の離脱症状の出現率の違いは、8%でした。


・デスベンラファキシン、ベンラファキシン、イミプラミン、エスシタロプラムで比較的高確率で離脱症状が出現していました。


・イミプラミン、パロキセチン、デスベンラファキシン、ベンラファキシンで比較的高度の離脱症状が出現していました。




抗うつ薬を中止したときの離脱症状の出現は、個人的には「3~4割はあるのではないか」という実感でした。偽薬の中止による出現率を考慮すると、抗うつ薬の中止自体の影響はそれ程大きくないのかもしれません。

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