◎要約:『超加工品の摂取量は、単独で認知機能や脳卒中のリスクと関連しているかもしれない』
糖分、脂肪分、塩分、添加物を多く含み工場などで加工された食品(各種菓子類など)を“超加工食品(Ultra-Processed Food:以下、UPF)”と呼ぶことがあります。
今回は、UPFと認知機能、脳卒中との関連について調べた研究をご紹介します。
超加工食品と脳の健康への悪影響
Associations Between Ultra-Processed Food Consumption and Adverse Brain Health Outcomes
アメリカにおける経過観察を行うタイプの研究で、認知機能の低下を調べるための14,175人と、脳卒中の発症を調べるための20,243人が対象となり、2003~2007年の経過を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・UPFの摂取量が多い場合には認知機能低下の発生するリスク(ハザード比)が10%上昇してました。UPFの摂取量が特に少ない場合には、リスクが低下していました。
・脳卒中の発症についても同様で、UPFが多い場合には8%のリスク(ハザード比)上昇が認められました。
・UPF摂取量と上記のリスクとの関連は、食事内容として推奨される地中海式、DASH式、MIND式にどのくらい近い内容かという尺度とは無関係でした(食事内容による可能性よりは、純粋にUPF摂取量の影響が強いかもしれない)。
振り返ってみると日常生活の中で加工品の摂取が多く、生鮮食品から自分で加工する割合は少なくなっているように感じます。このような食生活のリスクに配慮する必要性が確認される内容でした。
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