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活動的な生活が認知症を防ぐ


同じような認知症の予防効果、進行防止についての方法を繰り返し書いているような気もします。今のところやはり軽度認知障害への最善の処方箋は薬ではないようです。

軽度認知障害を伴う黒人における認知能力低下予防(ランダム化臨床試験)

今までにも軽度認知障害に対する運動療法等の非薬物療法の効果を支持する内容の論文が多く存在しました。しかし、今回の調査はより徹底した行動の活性化(behavioral activation therapy)と通常の治療(ここではsupportive therapy)とを比較し、非常に大きな差が生まれています。

2年間合計で221人の調査をしたところ、認知能力の低下を認めた割合は、行動の活性化を行ったグループでは1.2%、通常の治療を行ったグループでは9.3%でした。別の言い方をすれば、行動の活性化により、87%以上認知能力低下のリスクが軽減することになります。

行動の活性化と言っても漠然としていて分かりにくいですが、この調査で示されている内容はかなり広範で徹底していました。各自のニーズや能力に合わせたゴール設定、民族文化的な内容まで含んだ教育、スケジュールの見やすい掲示等の多種類の視覚化ツール、目覚まし時計により注意喚起を行いながらの外出予定の設定等、非常に多くの工夫と活動の幅があり、モチベーションも保ちやすいように思いました。

これだけのことをやるのは大変だという印象がありましたが、努力と工夫をすれば、苦労しただけの結果が得られるものだという脳の反応性についての信頼が深まったようにも思います。

やはり、脳を含めた人間の体は、一定以上の努力にはかなり忠実に結果を出してくれるようです。


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