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産後うつ発見の重要性


男性よりも女性の方がうつ病の罹患率が高く、女性だけが出産という大きなイベントを経験することの影響も大きいと言われています。

アメリカでは初産を経験する15~20%の母親が産後うつにかかると言われており、それだけ出産によるホルモンバランスの乱れ、母親という立場の受容、子育ての負担などの影響は大きいと考えられます。

今回、アメリカ小児科学会 The American Academy of Pediatrics (AAP)で産後うつのスクリーニング(疾患の有無を大まかにしらべる検査)に関する指針が発表されました。

出産後うつの発見と関わりを小児科臨床に取り入れる

その指針では、出産後1、2、4、6か月の小児科で行われる健診の際に、子どもだけをみるのではなく、有効性が証明された検査に沿って、産後うつの問診を行うことになっています。そして、その結果が陰性で、うつではないと判定されたとしても、その結果について母親と話し合うべきであるとされています。そして、夫についても6か月でのスクリーニングを推奨しています。

産後うつは母親のみの問題ではなく、子どもの安全や発育、母子関係、全体的な家族関係に大きな影響を与えることが知られており、子どもの発達の面からも治療の重要性が指摘されています。

しかし、産後うつにかかった場合、母親は十分に子育て等ができない自分に罪悪感や自責感をもっており、気持ちを誰かに話したり、治療につながることができないと思われます。

日本でも今回のような取り組みによって、産後うつという病態が広く知られ、治療が必要な場合に偏見なく早めの対処が行われることが望ましいと考えられました。


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