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アメリカで産後うつの薬が認可


以前にもご紹介したことがありましたが、「産後うつ」は非常に重篤になり得る病態で、深刻な落ち込みや意欲低下・興味の喪失をはじめ、自分や子どもを傷つけたりすることも生じます。母子関係に大きく影響することが指摘されており、養育にとっても大きな問題であると言われています。

今回は現地時間の2019年3月19日にアメリカのFDA(食品や薬品の管理を行う機関)ではじめて認可が発表された産後うつのための薬剤について紹介します。

FDAが産後うつのための最初の治療薬を認可

Zulresso (brexanolone) と言われるこの薬は産後うつのみに使用できる薬剤で、今までの抗うつ薬とは異なったしくみを持っています。

産後に減少するallopregnanolone:アロプレグナノロンというホルモンの作用を補う効果があり、抑制性の神経伝達物質として知られるGABAの受容体に対する調節作用を持っています。

産後のうつにはしくみの上で非常に合理的で、最初の投与から速効性が期待できるのですが、副作用として、眠気・口渇・ほてり・意識消失があります。

投与方法は60時間の持続点滴を要し、上記のような副作用もあるため、医学的観察が可能な医療機関の入院で行う必要があります。

副作用や投与法の点では、制限を感じる薬剤ですが、産後の重篤なうつでは他の抗うつ薬よりも効果が期待できるしくみを持っており、今後大きな選択肢となってくる可能性があります。

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