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アルツハイマー病に対する高圧酸素療法の可能性について


高圧で酸素を投与できるカプルセルに入る高圧酸素療法(HBOT)という治療があり、頭部外傷や一酸化炭素中毒の後遺症等で用いられることがあります。


今回は、このHBOTをアルツハイマー病に行って認知能力の改善を認めるか調べた研究をご紹介します。



平均70歳の顕著な記憶障害を伴う6人が研究の対象となりました。


対象者に3ヶ月にわたって、合計60回の高圧酸素療法を行い、その前後の画像所見・認知機能検査の結果を検討しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①脳の広範な領域で脳血流の増加が観察されました。

②全体的な認知能力の改善、特に記憶・注意・情報処理速度の領域で大きな改善を認めました。結果として、最終的には記憶の領域で年齢平均の能力にまで改善を認めました。


つまり“高圧酸素の多数回の投与により、アルツハイマー病の認知能力改善の可能性がある”と言えそうです。


しかし、これはごく少数例での結果であり、現在までに示されている別の研究では高圧酸素で効果のない例もあると言われており、冷静に受け止める必要があると思われました。

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