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ドナネマブのアルツハイマー病に対する進行抑制効果


アルツハイマー病に対する薬剤の論文が多くなっていますが、今回もそのうちの一つであるドナネマブ(今注目されている抗アミロイド抗体のしくみを持っています)についての論文をご紹介します。


初期アルツハイマー病におけるドナネマブの効果


薬剤開発における第2相試験(比較的小規模で薬剤の有益性を調べる臨床試験)の結果をまとめた研究で、アルツハイマー病の初期的な症状を伴う257人(60~85歳)が対象となりました。


ドナネマブを服用するグループと偽薬のグループにわけ、主にはアルツハイマー病の多面的な評価を行う尺度 Integrated Alzheimer’s Disease Rating Scale : iADRS(0~144点で、高得点が重度)で、76週後の状態を比較しました。


結果として以下の内容が示されました。

①主な尺度である多面的な評価では、ドナネマブがやや進行を抑制していました。

※悪化の幅がドナネマブ6.86 vs 偽薬10.06

②他の尺度(CDR-SB、ADAS-Cog13、ADCS-iADL、MMSE)やアルツハイマー病で沈着するアミロイド斑やタウ蛋白負荷では明らかな違いがありませんでした。


つまり、“ドナネマブはアルツハイマー病の抑制を年単位で全体的に少し抑制するが、全ての尺度で分かるほど効果は明確ではない”ということになりそうです。


はっきりしない結果となってしまいましたが、これから患者さんにとって長期的な利益があるのか、より大規模・長期的な試験での結果を待ちたいところです。

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