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子ども時代の逆境体験がその後の身体症状を多くする


身体的虐待やネグレクトを含む子ども時代の逆境体験が、その後の精神障害と関連することが指摘されてきました。


今回は、特に神経科の受診患者の中で、救急を含めた医療機関の受診や精神疾患の合併について調べた研究をご紹介します。


子ども時代の逆境体験と神経疾患


一時期の特徴を調べる横断研究と言われる種類の研究で、198人の神経科外来患者が対象となりました。


子ども時代の逆境体験を調べるための尺度:Adverse Childhood Experiences Scoreを用い、合計点数が4点以上の場合を高い水準(High ACE)として分類しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①神経疾患の外来患者は平均よりもHigh ACEの割合が多くなっていました。(アメリカの平均12.6%と、神経科外来患者の23.7%)

②High ACEの場合には医療機関利用の割合が多くなっていました。(ある現象の起こりやすさの目安:オッズ比について、救急受診21倍、入院5.2倍、電話相談3倍)

③身体・精神疾患の合併が5.8倍、うつや不安症状の高値が6.9倍と多くなっていました。


つまり、“子ども時代の逆境体験と医療機関利用につながるような身体・精神的不調とは関連する”と言えそうです。


因果関係は不明ですが、子ども時代の逆境体験について、その後の身体的・精神的健康状態の経過を観察することが重要であると思われました。

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