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救急受診時から始まる自殺予防は有効か?


様々な疾患や行動に対する予防の対策は、その疾患や行動が生じる可能性が高い集団に対して行うほうが、ニーズに沿ってより重点的に行うことができ、有効性が高いと言われています。


上記のような観点で言えば、自殺企図で救急を受診した場合に、次の自殺企図を予防する介入を行うことができれば有効性が高いのではないかと思われます。


今回は、実際に救急受診に始まる自殺予防は有効なのかを調べた研究をご紹介します。


救急受診患者に対する自殺予防


かなり以前(2017年)の研究になります。アメリカの複数の救急施設における受診者のうち最近自殺企図や自殺願望(希死念慮)があった1376人(女性769人、平均37歳)が調査の対象となりました。


上記の対象者に対して、①通常の治療のみを行った場合と②特別の介入(内科医による詳しい自殺スクリーニング検査、退院後の資源調整、受診後の電話連絡を含む)を行った場合とを比べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①自殺企図のリスクは、特別の介入を行った場合のほうが5%減少していました。(23%⇒18%)

②対象者ごとの自殺企図を行う回数は30%減少していました。


つまり、上記のような特別の介入を行った場合のほうが、自殺企図が減少するようです。


特に複数の自殺企図は、大きな自死のリスクになると言われており、1回ごとの自殺企図に対して、丁寧な予防の対策を行うことが大切であると思われました。

#自殺

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