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配偶者の循環器疾患とうつ

◎要約:『配偶者の心血管イベントはその後のうつ病発症のリスクを上昇させるかもしれない』





自分自身の循環器疾患がうつ病発症のリスクとなり得ることが指摘されてきました。


今回は、配偶者の循環器疾患について、うつ病発症への影響を調べた研究をご紹介します。


Depression Onset After a Spouse’s Cardiovascular Event

配偶者の心血管イベント後のうつ病発症


日本の健康保険情報を元にした研究で、277,142組の夫婦(調査対象者の平均年齢は58.2歳)が対象となりました。


年齢、性別、収入、配偶者の循環器疾患発症の時期を揃えて、配偶者の循環器疾患イベントの有無により、うつ病発症への影響を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。


・全体では4,876人(1.8%)にうつ病が発症しました。


・配偶者の循環器疾患イベントの経験とうつ病発症とが関連を示していました(ハザード比1.13倍)。


・発症は性別、年代、収入レベル、循環器疾患の既往によって影響を受けていませんでした。


・その他の健康に関する要素(喫煙、飲酒、身体活動、高血圧の薬)や客観的指標(体格指数、血圧、コレステロール、血糖、腎機能)を調整した後でも、上記のうつ病発症に関する傾向は一貫していました。



循環器疾患の大きなイベントが生じた後には、本人のみではなく、配偶者やその他の家族の精神状態にも配慮を要するかもしれないと感じさせる内容でした。

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