通常、薬物療法は可能な限り少ない種類・量の薬剤を使用するように心がけますが、一つの主な薬剤が効果を十分にもたらさなかった時に、治療の補助(増強)を行う薬剤を追加することがあります。
今回は、抗うつ薬での治療で大きな効果がなかった時に使用する補助薬カリプラジンの効果を調べた研究をご紹介します。
Adjunctive Cariprazine for the Treatment of Patients With Major Depressive Disorder: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Phase 3 Study
うつ病に罹患した751人の参加者をカリプラジン1.5㎎、カリプラジン3.0㎎、偽薬の3グループに分けて、6週間の経過で効果を評価しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・6週間で評価を行ったところ、カリプラジン1.5㎎で偽薬よりもうつ症状が改善していました(うつ病尺度MADRSによる評価で、カリプラジン-14.1 vs 偽薬-11.5)。
・カリプラジン1.5㎎と3.0㎎の用量による違いは明らかではありませんでした。
・主な副作用としては、アカシジア(静坐不能)と吐気がありました。
要約:『カリプラジンは1.5㎎で有効であり、通常の抗うつ薬と同じ程度の経過期間で効果を発揮する可能性がある』
抗うつ薬での反応が不十分な時の補助として、効果の期待できる薬剤であると思われました。
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