◎要約:『アカシジアに有効な薬剤としてビタミンB6、ビペリデン、ミルタザピン、トラゾドン、ミアンセリン、プロプラノロールが挙げられるが、最も有効性と忍容性が優れているのはビタミンB6であるかもしれない』
抗精神病薬の副作用の一つにソワソワ落ち着かなくなり、じっとしているのが難しい状態(静座不能:アカシジア)があります。
今回は、アカシジアに対して有効な薬剤について有効性を調べた文献のまとめ(ネットワーク・メタ・アナリシス)をご紹介します。
Drug Efficacy in the Treatment of Antipsychotic-Induced Akathisia
A Systematic Review and Network Meta-Analysis
抗精神病薬によるアカシジアの治療に使われる薬剤の効果
抗精神病薬によるアカシジアに対して有効な薬剤を調べた15の臨床試験(10種の薬剤と492人の参加者を含む)が文献調査の対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・ビタミンB6、ビペリデン、ミルタザピンの有効性が大きかった。特にビタミンB6は有効性と忍容性の点から良い特徴をもっていた。
・次にトラゾドン、ミアンセリン、プロプラノロールも有効だったが、上記の薬剤よりは有効性が劣っていた。
頻度は高くない副作用ですが、出現したときの不快感が大きく、証拠に基づいた対処を確認しておく必要性を感じました。
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