薬剤の効果が低い治療抵抗性うつに対して、TMS(磁気刺激治療)が有効であることが指摘されてきました。
今回は、TMSの中でも1日に複数回の磁気刺激セッションを行う加速型rTMSについての研究をご紹介します。
Accelerated rTMS: A Potential Treatment to Alleviate Refractory Depression
加速型rTMS: 治療抵抗性うつに対する治療の可能性
2種類以上の抗うつ薬に反応しなかった治療抵抗性うつ病の患者28人が対象になりました。
加速の方法としては、1日に5セッション✕4日間=合計20セッションを行いました。
14人ずつを加速型の2つの方式(rTMSとiTBS ※iTBSはrTMSよりも短時間で集中的に刺激を行う方式)に振り分けその違いを調べました。
結果として、以下のような内容が示されました。
・両方とも尺度として用いた17項目のハミルトンうつ病評価尺度(点数が高いほど重症で、23点以上が最重症)で、比較的大きな低下を示していた(具体的には、rTMSで24.86→15.43)。
・両方の加速型の方式(rTMSとiTBS)で効果の違いは明らかでなかった。
要約:『加速型TMSはうつ症状を大きく軽減させる可能性があるが、rTMSとiTBSでの違いは明らかでなかった』
毎日1回20日間で行うのが通常のやり方なので、短期間で効果が得られるのであればメリットのある方式であると思われました。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
rTMS治療:
YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ
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