アルコール・コーヒー・タバコと頭痛との関連が指摘されることがありますが、はっきりとした因果関係は分かっていません。
今回は、遺伝的手法を用いたランダム化(Mendelian randomization)によって、頭痛と摂取物の因果関係の有無について調べようとした研究をご紹介します。
アルコール・コーヒー・タバコと片頭痛の関連
大規模なデータを用いた研究で、FinnGen consortiumからの片頭痛あり6,700人/片頭痛なし145,000人と、UK Biobankからの片頭痛あり1,000人/片頭痛なし360,000人が研究の対象となりました。
アルコール・コーヒー・タバコの摂取と片頭痛がどのくらい関連しているのか調べ、また、(逆方向から)片頭痛がそれぞれの摂取にどのくらい影響を与えているのか調べています。
結果として、以下のことが示されました。
①アルコールやコーヒーを摂取する傾向があると片頭痛は少なくなっていました。また、タバコを摂取する傾向があると片頭痛は多くなっていました。
②片頭痛の傾向とアルコール摂取とは逆相関(片方が多いともう一つが少ないという関係)の関連を示していました。
つまり、両方向での分析を行った結果、“コーヒー摂取は片頭痛を軽減し、タバコは悪化させる可能性がある”と言えそうです。
逆方向の因果関係が想定されたので、アルコール摂取による緩和作用は否定的と思われました。また、コーヒーが頭痛を軽減する側面があったとしても、過剰摂取には注意が必要であると思われました。
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