以前から、シロシビン(マジックマッシュルームの成分)について、うつ症状に対する有効性が指摘されてきました。
今回は、シロシビンと抗うつ薬(エスシタロプラム)の比較を行った研究についてご紹介します。
シロシビンとエスシタロプラムのうつ症状に対する効果を比較した試験
中等度から重度のうつ病に罹患した59人を主としてシロシビンを服用するグループ(30人)と主としてエスシタロプラムを服用するグループ(29人)に分けて、6週間で効果を比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
①主な結果として、うつ病の尺度(QIDS-SR-16:得点0~27で高い点数が症状の重いことを意味する)で調べた結果、シロシビンで-8点、エスシタロプラムでー6点の変化でした。
②その他の結果として、反応率(50%以上の症状減少があった割合)はシロシビンで70%、エスシタロプラムで48%でした。
試験の結果として一番重視される「主な結果①」では、統計的に意味のある差ではなく、明らかにシロシビンの方が有効とは言えませんでした。
しかし、その他の結果ではシロシビンの優位を示す部分もあり、今後の検証が必要と思われました。
うつ病の薬物療法の新しい選択肢として今後が期待される結果でした。
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