◎要約:『パンデミック期間中の若年者の精神状態に関して、対面での学校活動等が良い影響を与えていたが、逆境体験の有無によっても影響の程度が異なっていたかもしれない』

COVID-19によるパンデミック期間には、対人交流の低下や行動制限等に起因すると思われる精神状態の悪化があったと指摘されてきました。
今回は、逆境体験のある若年者でパンデミック期間における精神状態を支えた要素について調べた研究をご紹介します。
Mental Well-Being Among Adversity-Exposed Adolescents During the COVID-19 Pandemic
COVID-19によるパンデミック期間中の、逆境体験のある思春期若年者の精神状態
21か所の集団を対象に行われた横断的調査:COVID Rapid Response Research (RRR) surveys of the Adolescent Brain Cognitive Development studyを元にしており、4,515人の逆境体験のある思春期若年者を対象としています。
パンデミック期間中の精神状態に、ポジティブな影響を与えた要素やストレスに関して調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・対面での学校活動、身体への配慮(瞑想など)、運動、健全な行動への取り組み(十分な睡眠など)が、ポジティブな影響の増大やストレスの減少に関連していました。
・逆境体験の有無で比較したところ、対面での学校活動は、逆境体験のある場合の方が、より多くポジティブな影響を与えていました。
交流や活動全体が低下する期間には、逆境体験の影響も配慮しながら、精神状態の支持的要素を増やす(保つ)工夫を行うことが考えられました。
Comments