◎要約:『双極性障害の経過中に、アルコール使用の問題が重なると、その後の気分変動の悪化や社会的機能の低下につながる可能性がある』
今回は、双極性障害(躁うつ病)において、アルコール使用が病状にどのような影響をあたえるのかを調べた研究をご紹介します。
双極性障害におけるアルコール使用と気分、機能との相互関係
Longitudinal Interplay Between Alcohol Use, Mood, and Functioning in Bipolar Spectrum Disorders
複数の医療機関から募集された双極性障害(1型、2型を含む)の患者584人(平均40歳、66.1%女性)が対象となりました。
1型が76.2%、2型が23.8%で、アルコール使用症の診断のある場合とない場合を含み、平均観察期間は9年間でした。
結果として、以下の内容が示されました。
・アルコール使用の問題が多いほど、その後の6か月でうつ/躁症状の悪化、職場の機能低下が生じていました。
・気分の症状が悪化しても、その後のアルコール使用の問題には明らかな違いが生じていませんでした。
双極性障害では、不眠や気分変動に対する自己治療としてアルコールの使用を認めることもありますが、全体としてはむしろ病状を悪化させる傾向があるようです。
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