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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

治療抵抗性うつ病に対する経口ケタミンの効果

◎要約:『ケタミンの経口剤は副作用は少なく、治療抵抗性うつ病に有効である可能性がある』






以前から、治療抵抗性うつ病に対するケタミン(注射剤)の有効性が注目されてきました。


今回は経口剤のケタミンについて、効果と副作用を確認した研究をご紹介します。


治療抵抗性うつ病に対する徐放性ケタミンの効果

Extended-release ketamine tablets for treatment-resistant depression: a randomized placebo-controlled phase 2 trial


最初の段階で、治療抵抗性うつ病(抗うつ薬の効果が少ないうつ病)でうつ症状が一定以上( Montgomery–Asberg Depression Rating Scale (MADRS) scores ≥20)の患者を集めました。


次の段階の臨床試験に入る前に、ケタミンの効果を調べ、最終的には168人が二重盲検(投与される方も、する方も実薬か偽薬か知らない標準的方法)の検査に進みました。


結果として、以下の内容が示されました。


・ケタミン(180mg)の経口投与で、偽薬よりも明らかにうつ症状が軽減していました(13週間の経過)。


・効果があった場合の再燃は、偽薬で70.6%、ケタミンで42.9%となっていました。


・注射剤で懸念される副作用(血圧変動、鎮静、解離)は最小限で、比較的多かったのは頭痛、めまい、不安でした。



注射剤で比較的多かった副作用が少なくなったことで、今後さらに臨床での使用に期待が高まる内容でした。

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