以前から“異常性欲”(Hypersexual disorder )で、コルチゾール等のホルモンにの異常が指摘されてきました。
今回は、オキシトシン(“愛情ホルモン”と呼ばれ、自閉症スペクトラム障害で低下していることがある)について、異常性欲の男性で上昇しているかを調べた研究をご紹介します。
異常性欲の男性における血清オキシトシン濃度の上昇
異常性欲の男性64人と比較対照のための健常者38人が研究の対象となりました。
血清オキシトシン濃度と性欲の尺度(Hypersexual Disorder Screening Inventory等)を用いて、性欲の程度を測定しました。
さらに、一部の男性には認知行動療法を行い、その前後のオキシトシン濃度を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①“異常性欲”の男性ではオキシトシン濃度が明らかに上昇していました(平均値で比べると、異常性欲の場合 31.0 vs 健常者16.9)
②認知行動療法を行った場合、オキシトシンの平均濃度が低下していました(30.5⇒20.2)。
つまり、“異常性欲”の場合にはオキシトシン濃度が上昇していることが多く、認知行動療法を行うことで下がるかもしれない、ということです。
因果関係は不明ですが、行動に影響を与えていることが検証されたら、治療の緒になりそうな研究だと思われました。
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