睡眠障害と認知症発症リスクとの関連が指摘されてきました。
今回は、習慣としての短時間睡眠、長時間睡眠が、高齢者の認知機能にどのような影響を与えるのかを調べた分析(メタ・アナリシス)をご紹介します。
Self-reported sleep duration and cognitive performance in older adults: a systematic review and meta-analysis
高齢者における自己申告の睡眠時間と認知能力
習慣としての睡眠時間と認知能力との関連を調べた研究35本(97,264人の参加者を含む)が分析の対象となりました。
5時間以下を短時間睡眠、9時間以上を長時間睡眠として、通常の睡眠(7~8時間)と認知機能低下の発症リスク(オッズ比)を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・短時間、長時間睡眠の両方で、認知能力低下の発症が多くなっていました(オッズ比で見ると、短時間で1.40倍、長時間で1.58倍)。
・研究のデザイン(横断と前向き)によらず、総合的認知機能評価での低下を認めていました。
要約:『高齢者において短時間・長時間睡眠の両方が認知能力低下と関連がある』
長時間睡眠は、循環器疾患のリスクとも関連していましたが、認知能力低下についても(間接的なものも含めて)何らかの影響があるようです。
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