要約:『非侵襲性の脳刺激(磁気刺激と直流電気刺激)について、様々な疾患で刺激量と効果との間にベル状カーブの関連性がありそうだ』
今回は、磁気刺激(TMS)と直流電気刺激(tDCS)の様々な精神疾患に対する効果の出方、刺激量と効果との関連を調べた研究をご紹介します。
経頭蓋磁気刺激と経頭蓋直流電気刺激の精神疾患全体への効き方
Transcranial Magnetic Stimulation and Transcranial Direct Current Stimulation Across Mental Disorders
A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis
磁気刺激と直流電気刺激の量と効果との関連について調べた研究110(4820人の参加者を含む)を分析の対象としました。
結果として以下の内容が示されました。
・統合失調症、うつ病、物質障害についてはベル状のカーブ(ある刺激量まで効果が上昇し、そこからは下がるカーブ)を描いていました。(例:統合失調症の陰性症状に対する左側DLPFCの高頻度刺激、統合失調症の幻聴に対する側頭部への低頻度刺激、治療抵抗性うつに対する左側DLPFCの高頻度刺激等)
・一部の疾患では、刺激量と効果の関連が、平衡に達するか上昇カーブを描いていました。(例:うつ病に対する右側DLPFCに対する低頻度刺激、強迫性障害に対する右側DLPFCに対する低頻度刺激等)
疾患や状態像により態様は異なりますが、脳刺激と精神疾患の改善との間に、一定の量・効果関係を見出すことができると言えそうです。
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