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自殺に関する人種の傾向は幼少時の虐待の体験と関連するか?

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

アメリカで、人種ごとに男女の自殺や希死念慮の発生率に特徴があります。例えば、マイノリティにあたる人種で、若い女性の自殺率が高い傾向があります(通常は男性の方が自殺率は高いです)。


今回は、若い年代のプエルトリカンで女性の希死念慮や自殺率が高いのが、虐待などの幼少時の逆境体験の影響によるものか調べた研究をご紹介します。


若年成人のプエルトリカンにおける希死念慮や自殺企図と子どもの逆境体験の関連


平均年齢22.9歳のプエルトリカン2,004人が研究の対象となりました。


結果として以下の内容が示されました。

①まず、男女比について、希死念慮11.5% vs 16.4% 、自殺企図3.6% vs 9.5%で女性が高くなっていました。

②次に女性において虐待の体験などの幼少時の逆境体験があった場合、希死念慮の割合が2.44倍多くなり、男性ではこのような傾向を認めませんでした。(自殺企図に関しては男女ともに逆境体験の影響を認めました)


つまり、明らかな因果関係とまでは言えないかもしれませんが、“子ども時代の逆境体験は人種間の自殺関連事象の男女比をある程度説明する”可能性が示唆されました。


人種間の環境の相違のみではなく、子ども時代の逆境体験の影響の大きさを示す内容として重要であると思われました。

 
 
 

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