◎要約:『音楽を聴いているとケタミン投与中の副作用である収縮期血圧の上昇を軽減できるかもしれない』
高血圧などの循環器疾患の予防(治療)に音楽療法が有効である可能性が指摘されてきました。
今回は、治療抵抗性のうつ病に対して重要な選択肢となりつつあるケタミン投与で起こる副作用(収縮期血圧の上昇)が、音楽療法でどのように変化するのかを調べた研究をご紹介します。
Music as an Intervention to Improve the Hemodynamic Response of Ketamine in Depression
A Randomized Clinical Trial
うつに対するケタミン使用で起こる血行動態変化を改善するための音楽療法
The Music for Subanesthetic Infusions of Ketamine (MUSIK)と名付けられたカナダにおけるランダム化比較臨床試験で、治療抵抗性のうつ病に対してケタミン投与が行われた32人が対象となりました。
40分のケタミン投与中に音楽を聴いたグループと、音楽なしのグループを比較しています。
結果として、音楽を聴いたグループにおいては明らかに収縮期血圧の反応が小さくなっていました (β=−7.4 mm Hg)。
※拡張期血圧については影響なし(β=−0.8 mm Hg)。
音楽を用いて少しでも副作用が軽減するのであれば、(血圧コントロールのための新たな薬剤を追加する必要もなく)メリットが大きいと思われました。
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