
頭部外傷後に赤外線に近い周波数の光線を照射すると細胞の保護的な反応が活性化するのではないかという指摘がありますが、まだ安全性・有効性が確立した治療法ではありません。
今回は、頭部外傷後の光線療法について安全性・有効性を調べた臨床試験をご紹介します。
中度頭部外傷に対する経頭蓋低レベル光線療法と偽刺激の有効性比較
急性期の中程度の頭部外傷を受傷した68人の男女が研究の対象となり、光線療法を行うグループと偽刺激のグループにランダムに振り分けられました。
光線療法を行うグループでは、受傷後72時間以内に光線療法を行い、その後の経過をMRIや受傷後の尺度: Rivermead Post-Concussion Questionnaire (RPQ)で観察しました。
結果として、以下の内容が示されました。
①副作用の報告はなかった。
②MRI画像では組織の反応をしめす所見が認められたが、臨床的な違いは有意ではなかった。
つまり、頭部外傷後の光線療法は安全性は高いが、その臨床的効果については明らかではなさそうです。
今のところ定かではありませんが、頭部外傷後の回復を高める安全性の高い方法として有効性も確認されることが望まれます。
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