魚類に含まれる不飽和脂肪酸が片頭痛を軽減する
- もりさわメンタルクリニック
- 2021年7月21日
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オメガ3脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚介類(魚および甲殻類)に含まれています。血管に保護的に働き、不足が懸念されている栄養素です。
また、オメガ6脂肪酸であるリノール酸、アラキドン酸は、紅花油、大豆油、コーン油などに多く含まれます。通常、不足することがなく、むしろ摂り過ぎに注意が必要です。
今回は、これらの脂肪酸摂取について調整を行い、片頭痛への影響を調べた研究をご紹介します。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の調整による片頭痛への効果
片頭痛のある182人(88%が女性、平均38歳)が研究の対象となりました。これらの人たちは月に5~20日は片頭痛の発作があり、67%は慢性片頭痛の基準を満たしていました。
以下のような3つのグループに分けました。
A. オメガ3不飽和脂肪酸を1日1.5g+オメガ6脂肪酸を全体エネルギーの約7%
B. オメガ3不飽和脂肪酸を1日1.5g+オメガ6脂肪酸を全体エネルギーの1.8%以下
C. オメガ3不飽和脂肪酸を1日150mg以下+オメガ6脂肪酸を全体エネルギーの約7%
結果として、以下の内容が示されました。
①オメガ3脂肪酸を増やしたグループでは片頭痛の回数や1回の強さが軽減していました。(月当たり片頭痛の強い日が2日減少)
②オメガ3脂肪酸を増やし、オメガ6脂肪酸を減らしたグループではさらに片頭痛の回数が減っていました。(同様に4日減少)
④全体としてみて、生活の質に関する評価には大きな改善を認めていませんでした。
つまり、“魚をたくさん摂って、他の油分を減らすと、片頭痛を減らせるかもしれない”ということです。
大きな生活の質の改善にはつながっていないようですが、頭痛を少しでも減らしたい場合には有効な方法なのかもしれません。
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