統合失調症になり易い傾向


予防する目的で様々な病気へのかかり易さが指摘されることがあります。それが遺伝子として解明されている場合には先手を打って、その病変の好発部位(起こりやすい場所)を切除するとか、病変にまでは至っていないけれど、それを引き起こす細菌がいるときには抗生剤で除菌するとか……対処の方法が存在する場合もあります。

最近、精神科の領域でも、予防を行うためであったり、発症後に早めに対処する目的で、ある病気へ移行し易い状態(その病気の前段階)に関する研究が増えてきました。

今回みるのは統合失調症に関するもので、題名は次のようになっております。

“Latent Profile Analysis and Conversion to Psychosis: Characterizing Subgroups to Enhance Risk Prediction” from Schizophrenia Bulletin(潜在的傾向の分析と精神病への移行:危険性の予測精度を高めるための特徴によるグループ分け)

要するに、「どういう特徴があるグループが精神病に移行し易いのか」を調べた研究です。

これによるとクラス1(精神病の前駆症状と抑うつが最も弱く、認知領域の遂行能力が保たれていたグループ)は精神病への移行が5.7%、クラス2(最も猜疑心が強く、引きこもり傾向などの症状は軽度で、抑うつは中等度のグループ)は14.2%、そして、クラス3(引きこもり傾向や認知、社会活動領域での障害が最も重いグループ)では29.3%でした。よって、引きこもり傾向や認知、社会活動領域での障害が強いクラス3は最も精神病への移行リスクが高いと結論付けています。(ここではnegative symptoms: 「陰性症状」と訳される用語を「引きこもり傾向」と訳しました)

このように病気とは言えないまでも、ある病的な傾向が認められたとき、発症を漫然と待つのではなく、評価や援助を行う方針が支持されるといことになります。それによって発症を防ぐことができる可能性までは、この研究で触れられていませんが、診断するには微妙な状態を放置することの危険性を示す内容でした。

#精神科 #統合失調症 #精神病 #研究

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