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ADHDの増加について


児童思春期におけるADHDの診断が増えているとの発表がありました。

児童思春期を対象としたADHD診断の最近20年間の傾向(1997-2016)

この調査ではアメリカ全土の4歳から17歳の子ども186457人が対象とされ、1997年から2016年までのデータが調査されました。このうち医師や精神衛生の専門家によりADHDと診断された割合は1997~1998年の6.1%から2015~2016年の10.2%と大きく上昇しました。

論文中では要因として医師の意識変化や診断基準の変更、一般の人々の中におけるADHDの認知拡大、診断が可能な医療機関への受診が容易になった点などが議論されていました。

20年間での大幅な増加は確かに上記のような人為的な要因を考えないと説明が難しいかもしれません。ただし、固有の生物学的な要因や生活環境などの影響もまったく無視はできず、今後の原因に関する研究が望まれます。

同様の傾向は発達障害についても指摘されており、良く患者さんから「発達障害は増えているのでしょうか?」という質問を受けるのですが、上記のような様々な要因があり、一概に診断基準を満たす人口が増えているとはいえないようです。

このような疫学的情報に関しては最新の知識と慎重な説明が必要であるように思われました。

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