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1000の夜を駆ける しらたま作


統合失調症の診断を受けた作者によるKindle版の自伝マンガです。

作者がこの本を描いた意図について、「あとがき」の抜粋をさせてください。

「最近“うつ”については世間的に認知されるようになってきた気もしますが、統合失調症においてはまだまだ広まり方が少ない気がします。もっと世間的に知識や理解が深まり、皆が生きやすく働きやすい社会になることを1秒でも早く願うばかりです」

疾患の性質から思考の障害が起きやすく、多数の人から理解が可能であるメッセージの発信が少なくなる傾向があると思います。

この本は15歳に発症した作者が、発症→急性期→慢性期→回復期(現在:20代後半)までの長期の経過をマンガで描いた本です。

中年男性の私が言うと信憑性に欠ける気もしますが、絵がかわいくて幅広い年齢層に受け入れられ易いと思います。ストーリー性も高く、病状のつらい時期などの心に迫る描写が印象に残ります。

現在が落ち着いた状態にあり、物語として(まったく問題がないわけではないけれど)光が射すようなハッピーエンドの印象を残します。また、家族の大切さが心に残る暖かな読後感があります。

統合失調症についての理解を深めたいけれど、いきなり文字ばかりの解説書はつらいという方に、一読をすすめたい作品です。

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