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『河合隼雄のカウンセリング講座』


以前に紹介した『河合隼雄のカウンセリング教室』に続いて、研修会(講演会)における河合隼雄先生の話をまとめたものです。

カウンセラーとして「人の相談にのる」ことの非常に基本的な事柄が、テーマとして選ばれており、ずっと引っかかっていた「何か」を言葉にしてもらっているような、腑に落ちる感触があります。

例として

・日本の学校教育とカウンセリング

・カウンセラーの技法と態度

・カウンセリングにおける「見立て」

・コンプレックス

・精神分析と宗教

以上のようなテーマで様々な寄り道をしながら話されています。

そして、テーマの中心として話した内容よりも、その「寄り道」がカウンセリングの根本に触れるような言葉が多く、琴線にふれます。

また、河合先生の語った口調のままで書かれているので、通常の文体で書かれているものよりずっと気持ちの中に入ってきやすいように感じます。

気になった箇所を少し抜粋させてください。

コンプレックスという大きなテーマの中で語られている人間の尊厳性について語られている箇所です。

「……たとえ知能も何もかも全部劣等であっても、人間としては決してほかに劣るものでない、という人間の底のほうにある尊厳性ということを知れば知るほど、われわれは、そういう劣等なところを平気で認められるようになります。」

この本を読んでいると、カウンセリングの勉強をしているというよりは、救いの言葉を探している自分に気が付きます。

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