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PTSDの悪夢に使用されていた薬


海外ではパニック障害やPTSDの症状軽減にも使用されているプラゾシン/ミニプレス(商品名)という血圧の薬があります。

日本でも使用の優先度は高くないものの、血圧の薬としては使われています。

この薬剤についてはPTSDの悪夢を軽減させるという効果が知られていて、この目的での数少ない選択肢として重要でした。

今回はこの効果に否定的な論文の紹介です。

悪夢と自殺願望(希死念慮)を伴うPTSDに対する、夜間のプラゾシン(ミニプレス)服用の効果について

20人の悪夢と自殺願望を伴うPTSDの患者さんについて偽薬かプラゾシン(ミニプレス)が使用されました。自殺願望(希死念慮)、悪夢、PTSDの一般的症状、不眠、うつ症状について経過を観察しました。

8週間の経過をみて、偽薬を服用していた患者さんでも全体的に(自然経過で)大きく症状は改善していましたが、プラゾシンでは悪夢と不眠について偽薬よりも改善の程度が低くなっていました。つまり、この薬剤については飲まない方が良く改善するという結果になりました。

すでにプラゾシンはPTSDの悪夢やその他の症状の改善目的で使用されています。今回の規模の小さな結果ですべての効果が否定されるわけではありませんが、少なくとも使用しない方が良い場合もあることが分かりました。

通常、有効であると考えられている薬剤についてもその効果については常に疑問をもちながら、患者さんの主観的症状の経過について先入観を持たずに確認していくことが大切であるように思われました。

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