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PTSDの治療内容による効果の違い


PTSDに的を絞った治療法として、恐怖を感じる記憶や手がかりに対して援助のもと接していく持続的暴露療法(エクスポジャー)というやり方が有名です。

また、一方で薬物療法も行われており、セルトラリン(ジェイゾロフト)等の抗うつ薬(SSRI)も使用されることがあります。

今回は、これらの組み合わせのうち、どれが最もPTSDの治療に有効なのかを調べた研究をご紹介します。

PTSDに罹患した退役軍人に対する持続的暴露(エクスポジャー)、セルトラリン、それらの組み合わせによる治療効果について

224名のPTSDに罹患した退役軍人が参加し、治療の開始から24週間の経過が調べられました。

①セルトラリンとenhanced medication management(強化した薬剤管理)を組み合わせた治療 

②持続的暴露(エクスポジャー)と偽薬の組み合わせ 

③持続的暴露(エクスポジャー)とセルトラリンの組み合わせ

以上の3つが比較されました。

どの治療法も24週間の治療で大きく(PTSDのスケールで30ポイント以上)症状の軽減を認めていました。しかし、治療法による違いははっきりせず、症状の軽減の様子をしめす低下のスロープ(勾配)の傾向に大きな違いはありませんでした。

標準的な治療としては持続的暴露(エクスポジャー)がすすめられるPTSDですが、薬剤による治療でも一定の効果があり、組み合わせても大きな違いがあるわけではないことが示されました。

これによって持続的暴露(エクスポジャー)追加の優越性が否定されるわけではないと思われますが、暴露は患者さんにとっても心理的負担が大きい面もあり、適用は慎重に行いたいと思いました。

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