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発達障害を唾液の検査で診断できる?


発達障害の診断は難しいと言われます。

ごく幼少のころから、典型的な特性が現れている場合には診断に迷わない場合もあるかもしれません。しかし、後年に社会的要求度が上昇したことによって明らかになってきたような軽度なタイプでは診断に難渋することが多いように思われます。

それでも、まずは具体的・主観的な困難を確認し、幼児期や現在の特性を尋ねたり、知能検査も合わせて行うことによって、特性の輪郭をたどって診断しているのが現状と言えると思います。

客観的な診断指標の開発が急がれていますが、そうした中でも有力そうな方法として唾液で測定するRNAについての情報があります。今回は昨年の記事にはなりますが、遺伝学の専門誌に掲載されていた論文をご紹介します。

子どもの自閉スペクトラム症(発達障害)に対する唾液RNAテストの検証

19~83か月の456人の子供について唾液中の診断指標となる32種類のRNAに関する分析が行われました。

この唾液テストを用いた場合の統計的な指標は、感受性は82%、特異性は88%、陽性的中率91%となっており、現実に検査ツールとして使用することが考えられると思われます。

著者も述べているように、非専門医が用いた場合には紹介する際の目安として、専門医が使用する場合には診断の補助ツールとして役立つことが考えられます。

現在行われている発達障害の診断方法がより客観性を獲得できるように、早期に臨床現場で使用可能になることが望ましいと思われる検査キットの一つです。

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