top of page

問題解決大全 読書猿:著


様々な問題解決の考え方や手法を歴史やその周辺の概念まで踏まえて紹介した本です。

「まえがき」では「本書は、困難や窮状を『問題』として捉え直し、その対処法や目標へ到達するための手段・方法を発見・実行することで、未来を変える方法と知恵を集めた道具箱である。」と記されています。

道具箱……確かにそのような紹介が適切なほど、さまざまな道具が登場し、使えそうだと思わせる道具や、その存在を知るだけでも嬉しくなるような道具もあります。

表紙に「ビジネスや人生のハードルを乗り越える37のツール」と書かれているように、主には37の手法を中心として書かれているのですが、それらの使い方の解説のみではなく、それが生み出される背景、特に生みの親についてのエピソードが豊富で、興味をかきたてられます。

本書の最大の特徴は、「読んで楽しい」ということだと思います。問題解決に直接関わるものだけではなく、広範な知識の要所を切り取って見せてくれます。また、切り取り方がうまく、印象に残り、ツールの理解を深めてくれます。

手法の紹介そのものについても、実際に読者が自分のツールとして使うイメージを持ちやすいように、具体例が分かりやすく提示されており、実際に「未来を変える方法」として使って欲しいという著者の心遣いを感じます。

著者名の「読書猿」とは「読書家、読書人を名乗る方々に遠く及ばない浅学の身」ゆえのネーミングらしいのですが、知識を知識で終わらせず、読者にどのように届け、生活の中で機能するかまでイメージされた本を作れる稀有な方であるように感じました。

閲覧数:67回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page