虐待と扁桃体の働きについて


脳の扁桃体といわれる部位は情動と記憶の処理において重要な役割を担っており、不安障害やうつ病、統合失調症など多くの疾患で、機能的な変化が生じることが示されています。

今日は、虐待の体験によって扁桃体の働きがどのように変化するのか、虐待を体験した年代ごとに調べた研究をご紹介します。

Association of Prepubertal and Postpubertal Exposure to Childhood Maltreatment With Adult Amygdala Function

思春期前と思春期後の虐待体験と、扁桃体機能との関連

参加者はアメリカのボストン周辺で精神疾患や虐待体験の有無に関係なく集められました(平均23.2歳、202人)。

自己申告による年代ごとの虐待体験の有無が調べられ、恐怖を生じさせる顔の表情に対する扁桃体の反応を機能的MRIを用いて検査しました。

結果として、幼い時期の虐待は、上記の恐怖刺激に対する反応が低下し、より後年(10代前半)の虐待体験は、同じ刺激に対する扁桃体の反応が増大していました。

上記のように虐待の影響は、体験する年代によって脳に対する影響が異なる可能性が示されました。

虐待の体験は、多くの疾患に結びつくことが示されていますが、上記のような体験時期による扁桃体の機能変化の相違は、影響の多様性の一部を説明するものと考えられます。

現在、扁桃体の機能異常は、多くの精神疾患の基礎にあるものとして注目されており、体験の影響などについてより詳細な理解ができることが望まれます。

#児童虐待

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