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子どもの炎症性腸疾患と精神疾患の合併


炎症性の腸疾患(例として、潰瘍性大腸炎やクローン病等)と精神疾患との合併が多いことが、以前から知られています。

ただし、それがどのようなしくみによるものなのか、生育環境等の影響などについては不明な点が多く残されています。

今回は、炎症性の腸疾患と精神疾患や自殺企図の頻度等について詳細に調べた研究をご紹介します。

若年発症の炎症性腸疾患と精神障害、自殺企図との関連

スウェーデンにおける研究で、子ども時代に炎症性腸疾患を診断された6464人(診断時の平均年齢13歳)が対象となりました。

平均の追跡期間は9年間で、炎症性腸疾患を合併している場合には、その後精神疾患を発症する可能性が通常の場合よりも1.6倍、自殺企図については1.4倍となることが分かりました。

もう少し細かくみると、気分障害で1.6倍、不安障害1.9倍、摂食障害1.6倍、パーソナリティ障害1.4倍等となっており、多くの精神疾患との関連が示されました。

幼少時(6歳未満)に腸疾患を発症した場合にはさらにリスクが高まる可能性について触れられており、特に注意が必要と思われます。

冒頭で述べたように、炎症性腸疾患と精神疾患との結びつきについて、機序までは分かっていませんが、特に幼い時にクローン病等を発症したお子さんについては、その後の精神状態について、注意してケアしていく必要性を感じました。

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