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経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による統合失調症(陰性症状)の改善効果


経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は以前(2019年3月)にNHKの番組でも取り上げられ、スポーツでのパフォーマンスや勉強の集中力向上に役立つという効果が注目を集めました。
これに対して、簡易機器による安易な使用に注意喚起(日本臨床神経生理学会)がなされる等、安全性や効果に対して疑問視されている点もあります。
今回は、tDCSを陰性症状(活動性の低下等、元気のなくなるイメージの症状)の強い統合失調症の患者さんに行って、症状の軽減と維持が可能であるかを調べた研究をご紹介します。
統合失調症における陰性症状の治療に用いた経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の効果と安全性
ブラジル、サンパウロ州における研究で、100人(20人が女性、平均年齢35.3歳)が調査の対象となりました。
本当の刺激を行うグループでは1日に2回、5日間の経頭蓋直流電気刺激(tDCS)が行われ、もう一方のグループには同様に偽刺激が用いられました。
結果として、本当のtDCSが行われたグループでは明らかに、統合失調症の陰性症状が他方に比べて改善していました(効果アリが40% vs 4%)。
さらに6週間の経過観察後でも、効果は維持されており、副作用の発現は偽刺激と差異がありませんでした。
上記のような結果をみると、安易な使用には注意が必要かもしれませんが、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を一定のルールのもとに医療的に使用することには、治療的利益があるように思われました。
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