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経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による記銘力の向上とドーパミン放出


昨日、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による統合失調症の陰性症状改善についてご説明しました。

最近、tDCSに関する論文は多く、うつ症状の改善を始めとして様々な効果が示されていますが、今回は日本からの論文で、tDCSの効果がどのような仕組みによってもたらされるのか機能的画像(PET)によって明らかにしようとした論文をご紹介します。

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)によるドーパミン放出が注意力を向上をもたらす

20人の健常者が対象となった試験で、二度の画像検査と記憶力を試すテストが行われました。

一度は実際のtDCSを行い、もう一度は偽刺激の後に検査とテストを行い、二つの場合を比較しました。

結果としてtDCSを行った後では偽刺激に比較して、明らかに脳内の特定部位におけるドーパミン放出量が増加しており、記憶力を試すテストの正確さが向上していました。さらに、そのドーパミン放出量が多いほどテストの成績も向上していることが示されました。

上記のような結果をみると、tDCSの効果の背景には脳内のドーパミン放出量の増加があるように思えます。

このように、効果のみではなく、そのしくみが確かめられることにより、臨床的な応用がより有効に、安全に行える可能性が高まるように思われました。

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