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欧州の薬剤管理機関が抵抗性うつに対するエスケタミン鼻腔スプレーを推奨


薬剤抵抗性のうつ病にも有効である薬剤としてエスケタミンという鼻腔スプレーの薬剤を紹介したことがあります。

現在、2剤以上の抗うつ薬で効果の少ないうつ病について、“治療抵抗性”という言葉を用いますが、うつ病のうち概ね3分の1は“治療抵抗性”と言われており、この病態に対する治療手段が求められてきました。

エスケタミン鼻腔スプレーはアメリカの管理機関であるFDAではすでに認可されていますが、今回、欧州の管理機関であるEMA(その委員会であるCHMP)から、認可へ推奨が発表されました。

ヤンセンは抵抗性うつ病に用いるスプラバト(エスケタミン)鼻腔スプレーに対するCHMPの好意的意見を受けた

薬剤会社からのコメントに載せられている短期間(1ヶ月)のデータによれば、エスケタミンの治療反応率は70%と高く、また、治療を受けた半数はわずかに症状が残存しても生活に大きな支障のない“寛解”の状態に至ったとのことです。

エスケタミンは今までの抗うつ薬に代わるものということではなく、抗うつ薬の治療に追加する薬剤としての位置づけになります。

その作用のしくみから考えても、抗うつ薬の作用増強剤と言えるかもしれません。

解離やめまい等の比較的頻度の高い副作用はありますが、重篤なものではなく、今後、日本でも使用が可能となる日が待たれる薬剤の一つです。


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