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医療用カンナビノイド(大麻草由来物質)の有効性について


医療用大麻については様々な議論があります。支持する立場としては、他の薬剤の有効でない、がんによる疼痛や一部の精神疾患に対する有効性があると主張されています。

今回は、広く様々な精神疾患に対する症状の軽減を調べることで、医療用カンナビノイド(大麻草由来物質)の有効性を確かめようとした論文(メタアナリシス)についてご紹介します。

精神疾患や精神症状の治療目的に使用されるカンナビノイドについて

合計3067人の対象者を含む83の論文の結果が分析されました。

研究に含まれていた精神疾患はうつ病、不安障害、PTSD、精神病性疾患、トゥレット障害、ADHD等で、7つの研究においては疾患の内容によらず、不安の軽減を示していました。

しかし、有効性を示していた研究のいずれも証拠の質としては低く、信頼性の高い結果とは言えませんでした。また、どの精神疾患においても寛解の状態には至らず、精神病性疾患については、悪化させているとのデータもありました。

全体として、不安の軽減には役立つものの、精神疾患を全体として緩和させる作用は低く、有効性を裏付ける高いレベルの証拠には乏しい現状が明らかになりました。

上記の結果は、カンナビノイドの有効性をあらゆる用途について否定するものではありませんが、精神疾患の治療目的においては、その効果は限定的なものとなる可能性が高いと考えられました。

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