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スポーツ選手の摂食障害を早期発見するツールについて


以前からアスリートと摂食障害の関係について、議論がなされてきました。

元マラソン選手で摂食障害と窃盗症を合併した原裕美子さんの例は、メディアでも多数取り上げられたので、ご存知の方も多いと思います。

スポーツ競技に体重制限はつきものかもしれませんが、ただでさえ記録や勝敗のプレッシャーが強い状態で、どのように自分の体型(体重)や摂食スタイルに向き合うのか、極限に近い精神状態に追い込まれることも多いのではないかと推察します。

今回は、今まで年齢の高い層(18歳から65歳)に用いられてきた質問ツール(DESA-6)が、より若年(12歳から19歳)における摂食障害を早期発見するためにも有効か調べた内容の発表についてご紹介します。

競技者のための摂食障害検査(DESA-6)について:思春期の競技者のための自記入式摂食障害簡易スクリーニング検査

303人の競技者(12歳から19歳)が調査の対象となりました。

調査の第1相では今回有効性を調べたりDESA-6と、もう一つ頻用される簡易検査であるEAT-26のどちらかで陽性だった場合を第2相の対象としました。

第2相では、摂食障害の詳細で基準となる検査である“摂食障害検査のための臨床面接17版:The clinical interview consisted of the Eating Disorder Examination, Version 17”を用いて、DESA-6が正しく摂食障害を発見しているかを確かめました。

以上のようにして、なるべく取りこぼしのないように摂食障害の可能性がある競技者について、DESA-6の妥当性を検討したところ、実用に耐える有効性(第2相での特異度:93.9% 感受性:80.0%)を備えていることが分かりました。

DESA-6は6個の質問のみからなる非常に簡便な検査で、これならば大人数にも実施可能であると思われます。

なかなか、詳しい検査を全員に行うことが難しい状況で、実施主体や受験者に負担の少ないツールが開発され、より多くの人への有効性が確認されることは、治療上大きな利益につながると考えられました。

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