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エンドフェノタイプを用いて考える統合失調症の関連遺伝子


遺伝子と疾患との関連を考える時に、遺伝子の変異等の特徴と疾患の有無のみとの関連を調べても、有益な結果が得られないことがあります。

このとき、疾患の有無よりも前の段階である神経機能や代謝の異常を考えると遺伝子的特徴との関連が分かることがあります。

このような遺伝子と疾患との中間に位置する特徴を、エンドフェノタイプ(endophenotyoe)と言い、疾患の発症だけではすくい取れない遺伝子の発現をみる上で有用とされています。

今回は様々なエンドフェノタイプを想定して統合失調症の関連遺伝子(その可能性が高いもの)について調べた研究です。

統合失調症のエンドフェノタイプからみたゲノム全体における関連性について

1533人(861人が男性、平均41.8歳)のサンプルが分析の対象となりました。

通常の遺伝的解析において、疾患との関連性が高いと思われた7つの領域について、エンドフェノタイプとして想定された特徴との関連が調べられました。

もう少し具体的には抑制・注意・警戒・学習・ワーキングメモリー・遂行機能・エピソード記憶・社会的認知に関連する11の特徴が評価されました。

結果として、調べた遺伝子の7つの領域は、エンドフェノタイプ(中間的な特徴)との関連も大きく、統合失調症の背景にある機能上の問題と密接に関連していることが考えられました。

以上のような結果から、今回調べた7つの領域は機能的な面からも、統合失調症との関連性が示唆されました。

今後も、このような遺伝的解析により、統合失調症の症状の背景が分かり、より明確な治療の標的を捉えられることが期待されます。

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