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自閉症スペクトラム障害にうつや不安が合併する割合について


以前から自閉症スペクトラム障害にはうつや不安が合併しやすいことが指摘されていますが、実際にどのくらいの割合で生じるのか、詳しいところがはっきりしていません。

今回は、自閉症スペクトラム障害におけるうつ病、病的な不安、双極性障害に関して、一般人口と比較してどのくらい発症リスクが異なるのか調べた大規模な研究についてご紹介します。

1976年から2000年にミネソタのオルステッド郡で生まれた31220人が調査の対象となりました。

このうち、1014人がASD(自閉症スペクトラム障害)が診断を満たし、他の条件をそろえた健常者との間で発症リスクについての比較を行いました。

結果として、双極性障害9.34倍、うつ病2.81倍、不安障害3.45倍で発症リスクが高いことが示されました。

30年間の累積罹患率を比較してみると双極性障害に関して自閉症スペクトラム障害 vs 健常群は7.3% vs 0.9%、うつ病に関して54.1% vs 28.9%、不安障害に関して50.0% vs 22.2%となっていました。

気分や不安の障害が増えるという印象は強かったものの、これだけ大きな差があるとは明確に意識できていなかったように思います。

特に双極性障害については、非常に大きな罹患率の差を前提として、治療の方針を検討する必要があると考えました。

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