昨日お伝えしたニューロフィードバック(可視化した脳の状態を自分で制御するトレーニング)はADHDに対して有効であると言われます。
今回は、ADHDに対するニューロフィードバックと認知トレーニングの効果を比較した論文を紹介します。
学校におけるADHDに対するニューロフィードバック
アメリカにおける研究で、104人の児童をニューロフィードバックを行うグループと認知トレーニングを行うグループに分け、効果を比較しました。
ニューロフィードバックはPlay Attention、認知トレーニングはCaptain's Logというプログラムが使われました。
ニューロフィードバックは頭にヘルメットをかぶり、集中している時のベータ波を出させるように自分をコントロールする方法で、認知トレーニングは注意力と短期の記憶力を用い、コンピューターが提示する問題を解いていくプログラムです。
結果として、以下の内容が示されました。
①ニューロフィードバックを受けた方が、認知トレーニングよりも不注意(効果の目安であるイフェクトサイズという尺度は0.34:まあまあの効果)・遂行能力(イフェクトサイズ0.25)・多動/衝動性(イフェクトサイズ0.23)に対する効果が大きくなっていました。
②この効果はトレーニングが終わった6ヶ月後においても保たれていました。
つまり、“ADHDに対する非薬物の方法ではニューロフィードバックの方が、認知トレーニングよりも効果が大きいかもしれない”ということです。
認知トレーニングも、ADHDの治療として有効と言われる方法であり、この研究のみで結論が出たわけではありませんが、少なくともニューロフィードバックは非薬物的治療の中で有効な選択肢であると思われました。
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