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ADHD治療薬の全般的影響

◎要約:『ある種のADHD治療薬によって入院、自殺関連行動、労働の支障が少なくなるかもしれない』






ADHD治療薬には効果の傾向やしくみに違いがあり、同じADHDの診断でも、その人の症状や希望によって使い分けを行います。


今回は、ADHD治療薬が与える入院や自殺企図、仕事等への影響を薬剤別に調べた研究をご紹介します。


Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder Medications and Work Disability and Mental Health Outcomes

ADHD治療薬と労働の支障、精神衛生への影響


スウェーデンにおける研究で、ADHD診断のある221,714人(16~65歳、平均25.0歳、男性54.6%)が対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。


・メチルフェニデートが最も多く処方されて(68.5%)、次いでリスデキサンフェタミン(35.2%)となっていました。


・アンフェタミン、リスデキサンフェタミン、デキサンフェタミン、メチルフェニデート複数剤併用では精神科入院が減少していましたが(例:アンフェタミンのハザード比0.74倍)、モダフィニル、アトモキセチン、クロニジン、グアンファシンではそのような関連はありませんでした。


・デキサンフェタミン、リスデキサンフェタミン、メチルフェニデートでは自殺関連行動が少なくなっていました(例:デキサンフェタミンでハザード比0.69倍)。


・労働の支障については、アトモキセチンで低下しており(ハザード比0.89倍)、特に16~29歳で低下が大きくなっていました(ハザード比0.82倍)。




その人の症状や体質により、効果が発揮されるかどうかに違いが予想されますが、ADHD治療薬による生活への比較的良い効果が確認される内容でした。



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