中枢刺激作用をもつADHD治療薬には、成長期の副作用として身長の伸びを低下させたり、体重を減少させたりすることが知られています。
今回は、それを取り戻す(身長の伸びを改善させたり、体重を増加させたりする)ために有効な方法を調べた研究をご紹介します。
中枢刺激薬によるADHD治療を行っている子どもにおける成長抑制の改善方法
ADHDの子ども(5~12歳)230人を中枢刺激薬(メチルフェニデート)による治療を行うグループと行動療法を行うグループに分けました。
次に、薬剤を服用して体重の減少がみられた子どもを、①毎月体重と身長を測る、モニタリングをするグループ ②学校のない時に休薬するグループ ③カロリーを補うサプリメント(150Kcal)を行うグループ に分けて体重や身長の伸びが改善するのか調べました。
結果として以下の内容が示されました。
1.薬剤を用いた場合には全体として体重と身長の伸びの低下がありました。
2.体重が減った場合に行った方法では①~③のいずれでも体重は増加していましたが、②と③の方法が、①よりも増加が多くなっていました。
3.いずれの方法によっても身長の伸びは改善しませんでした。
つまり、“中枢刺激薬による体重減少には特に休薬とサプリメントが有効だが、身長の伸びまでは改善しない”ことが示唆されました。
成長期の子どもに中枢刺激薬を用いたADHD治療を行う場合には、特に身長の伸びの抑制に注意が必要であると思われました。
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