麻に含まれている“カンナビノイド”の一つであるCBD(カンナビジオール)は市販されており、不安や睡眠に対する効果を期待して使用している方もいらっしゃいます。
しかし、一般的にはこの成分の精神的効果はない(すくなくとも“大きく”ない)とされており、プラセボ効果を超えた有効性に関しては疑問視されています。
今回は、このCBDについて、(臨床試験ではない)現実世界での有効性を不安や睡眠・痛みに関して調べた結果についてご紹介します。
CBD製品の有効性に関する現実世界での調査
不安や慢性疼痛・睡眠障害を主訴とする2704人(21歳以上)が調査に参加しました。
市販されている13種類のCBD含有製品を摂取するグループと何も摂取せずに待機するグループに分けて、4週間の経過を観察しました。
結果として、以下の内容が示されました。
①効果を実感した参加者の割合は、全体的な生活の質について61%、痛み47%、不安53%となっていました。
②用いられた尺度:PROMIS (Patient-Reported Outcome Measurement Information System)における改善の割合は生活の質31%、痛み31%、不安52%となっていました。
つまり、“CBD含有製品を摂取すると、不安や痛みについて3~5割の症状軽減を感じることがあり得る”と言えそうです。
偽薬を比較対照としておらず、ランダム化も行われていないため、プラセボ効果との見分けは難しいですが、今後有効性が証明される可能性を感じる内容でした。
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