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COVID-19後の認知機能・脳画像・脳波の変化について


新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に罹患した後に、認知機能の低下等、精神神経領域の障害が生じることがあります。


今回は、このような精神神経領域の症状が出現した場合に、脳の画像(MRI)や脳波にどのような影響が認められるのか調べた研究をご紹介します。


COVID-19罹患後の認知機能・脳波・MRIの特徴


COVID-19罹患後に認知機能の異常を訴えた49人(研究開始当初)が対象となりました。


認知機能と脳波(退院後2ヶ月と10ヶ月)、脳画像(MRI)を入手し、健常者と比較しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①遂行機能・脳白質の高信号・言語的記憶障害と関連したδ(デルタ)領域における局所的な電気的活動の増加を認めていました。

②認知機能低下や脳波上の異常は時間とともに改善しましたが、精神病理的な症状は残存していました。

③味覚障害や嗅覚障害を示す場合は記憶障害の改善が少なくなっていました。


つまり、“COVID-19では、少なくとも退院後2ヶ月間は継続するような認知機能・脳波・脳画像の異常が相互に関連して生じている”と言えるかもしれません。


今まで不定愁訴と捉えられることも多かったCOVID-19後の精神神経症状が、今後さらに客観的に確認されるようになることが期待される内容でした。


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